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くらしHOW研究所

スペシャルコンテンツ業界インタビュー

望む時間、望む場所、望む方法
さらなる“受け取りやすさ”を求めて

取材日:
ヤマト運輸株式会社 営業推進部 係長 荒川 菜津美 さん

ネット通販の急速な拡大と、構造的な人手不足という、社会の変化の大波を受けた宅配便の”再配達問題“。くらしHOW研が全国の女性を対象に行った調査によれば、一連の報道に対する認知度は高く、再配達時間の変更などに対しても協力的な態度が主流。ただし料金値上げにはシビアな声も多かった。これに対し、「運賃を上げる以上は、さらなるサービス向上の期待に応えなくては」と話すのは、ヤマト運輸 営業推進部の荒川菜津美さん。サービス向上の取り組みについて、話を聞いた。

今、拡充を進めているのが「クロネコメンバーズ」です。メンバーズに登録すると、メールで配達予定通知が受け取れ、日時の変更や受取場所の指定ができます。

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LINEのトークで再配達を依頼

 

LINEの公式アカウントとID連携すれば、トーク上でも依頼が可能に。アドレス帳機能があるため、送り状の発行も簡単。オリジナル電子マネーを使えば、運賃の割引も。

「クロネコメンバーズ」は、2007年からスタートした入会費・年会費・利用料無料の個人向け会員制のサービスですが、通販サイトとの連携や、受け取りやすい曜日や時間帯の設定など、どんどん機能を充実させてきています。

会員数もじわじわ伸びており、現在1500万人が登録をしています。

 

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受け取り方の選択肢を増やす、という意味で、今伸びているのが、駅や商業施設などの「宅配ロッカー」です。

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2016年に、ヤマト運輸とフランスの企業とが合弁で設立したPackcity Japanの宅配ロッカー「PUDO(プドー) ステーション」。 これは複数の配送会社の荷物が受け取れるものですが、すでに全国で1000カ所以上に増えています。

 

―― 宅配ロッカーは、駅というイメージがありますが


設置場所でもっとも多いのは、実はスーパーやドラッグストアで、全体の33%。次いで、ヤマトの営業所に25%、鉄道の駅は21%という割合です。

 

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さらに、この4月からDeNAと、次世代の宅配便のサービス「ロボネコヤマト」の共同開発をスタート。現在、神奈川県の藤沢市で実用実験中です。

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「ロボネコヤマト」の専用EV車

スマホやパソコンで、受け取りたい場所と時間を指定すると、宅配便の保管ボックスを載せた専用EV車がやってきます。

指定できる時間は、10分刻み。

利用者は、指定後にメールで届く2次元コードか暗証暗号で本人確認をし、保管ボックスから荷物を取り出します。
保管ボックス8室のうち、2室が冷凍・冷蔵と、クールにも対応しているんですよ。

 

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ネット通販や個人間取引は、さらなる増加が見込まれ、人手不足は業界全体の課題といえるのですが、私たちは、再配達を減らすためというより、お客様が荷物をより受け取りやすくすることを目指して、こういったサービスの開発に取り組んでいます。

お客様が望む時間、望む場所、望むスタイルで、一度で受け取れることが、結果的には宅配業者の負荷も減らすことにつながるのだと思います。

(取材は2017年10月)

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