最近、飲食店で「昼飲みやっています」という貼り紙を見かけるようになった。くらしHOW研の調査を見ても、若い世代の女性が昼にお酒を飲む頻度が上がってきている。早くから居酒屋「北海道」で“昼宴会”の提案をしてきた、コロワイドの広報・高木潤一さんに、昼飲み市場の今とこれからについて話を聞いた。
居酒屋「北海道」では、2010年から本格的に昼の宴会を提案してきました。もともとの主な対象はリタイア組のシニアや夜勤明けの人たちです。人気なのは「飲み放題ゼロ円」の昼宴会コース。昼の宴会は、特に積極的な販促はしていないのですが、じわじわと伸びて、今は売り上げの1割を占めるようになっています。
利幅は少ないが、空いている時間で回せて、人件費も読みやすく、効率がいい昼宴会。 ただ、スタートしたのはそういう計算からではなく、そもそも「昼に飲みたい」というお客様の 需要があったから。以前は、生活の時間帯が違う人たちがお酒を飲める場って、あまりなかったですからね。
都心部の繁華街や駅近という「北海道」の立地も、そんな要望に応えるのに適していたので、昼宴会コースをやってみよう、ということになったわけです。
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居酒屋業界全体の売り上げは横ばいの状態ですが、“昼”には可能性がある。すでに居酒屋自体が、夜だけのものではなくなっています。今は「ハッピーアワー」など、早い時間から始める店が多いですよね。
一方で、女性の間でも“横丁”や“せんべろ”の世界観がブームになるなど、それまで女性はちょっと、と敬遠されたたような場にも目が向くようになっています。 たとえば、先日、赤坂に出している立ち飲みのやきとんの店で、ぱっと1杯飲んで帰る女性を見かけました。かっこよかったですよ。
女性の社会での活躍が進むなかで、“飲みたいけれど、飲みにくい”という雰囲気の壁が取り払われてきているのだと思います。
反対に、「北海道」や「甘太郎」などコロワイドの居酒屋では、「ノンアルコール宴会」のプランもあって、学生などに人気ですが、これも時代の変化のひとつ。
今後は、男女を問わず、飲む場所・飲む時間がさらに自由になっていく。カフェなどでも昼間にアルコールを出す店が増えていくでしょうし、昼飲み市場は拡大していくと考えています。
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