今年3月、髙島屋新宿店はスポーツウエア、ギアを中心に、ジムやスタジオも備えた美と健康のフロア「ウェルビーフィールド」を8階にオープンした。今なぜ百貨店が”スポーツ“なのか? シニアマネージャーの菅家貴文さんに話を聞いた。
フロア・コンセプトは『ウェルビーイング・ライフ』、すなわち心とカラダ、両面の充実を目指すライフスタイルです。今の時代、健康に美しく暮らすためには、日常的に身体を動かすことが必須。東京五輪もありますし、日常にスポーツが溶け込んでいる文化をもっと根付かせていきたい。これが目的のひとつです。
もう一点意識したのは、続いているファッション業界の低迷を打破する方向のひとつに、”スポーツとの融合”があるということです。3年ほど前から伸びている『アスレジャー(※)』は、日常着とスポーツ着をクロスオーバーさせたスタイルで、アメリカ西海岸、ニューヨークなどから日本に上陸しました。街着にスポーツ要素を取り入れたもので、外出先からそのままヨガに行けるようなウエアや、仕事にもはいて行けるロングのジョガーパンツなどが、今とても人気です。
「アスレジャー」は、単なるファッションの流行というよりも、心身の健やかさを求めるライフスタイル、つまり「ウェルビーイング・ライフ」の大きな流れの中にある動きなのです。今後も伸び代は大きいと考えています。
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通常、フロアのターゲット設定に年齢要素は欠かせませんが、このフロアはエイジにはこだわりませんでした。
ターゲットは、まず「スポーツをやってみたいけれど、やっていない」未経験者。次に「ちょっとやっているけれど、もっとやりたい」層。そして、ガッツリはまっている人たちです。この3つのターゲットに対して、エントリーからハイエンドまで、機能・パフォーマンス・価格帯をそろえて、商品を提供しています。
従来のスポーツ用品売り場は、「ランニングシューズが欲しい」など、ある程度目的を持って行く所ですよね。でもここでは運動をしていない人にも、関心を持ってもらうことを意識しました。
同じフロアに東急ハンズ、9階に子ども服と、集客力の高い売り場があるので、通る人が多いのですが、そんな通りすがりの方にも「このウエア、カワイイ!」「私も着られそう」と足を止めて見てもらいたいと、しっかり狙っています。
というのも、「かっこいいウエアを着てスポーツしたい」というモチベーションは、”やってみたいけれど、やっていない“人の背中を押し、スポーツを始める入口にもなりうると考えているから。商品を通じて、もっと多くの人の日常にスポーツを溶け込ませていく啓発をしていきたいですね。
※「アスレジャー」とは運動(アスレチック)と余暇(レジャー)を組み合わせた造語
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