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くらしHOW研究所

スペシャルコンテンツ業界インタビュー

商業施設の概念に捉われない取り組みで、地域利便機能と繋がり合える街づくり

取材日:
住友不動産商業マネジメント株式会社 営業本部 本部長付 リーダー 丸山静香さん

 

住友不動産グループが開発を進めてきた東京湾岸有明複合開発プロジェクト「有明ガーデン」。住宅・商業施設・観光・ビジネスなどを活性化し、湾岸エリア(豊洲・有明・お台場)一体の発展を目指しています。これからの新たな街づくりについて、「有明ガーデン」のブランディングを手掛ける丸山静香さんにお話を伺いました。

有明は、都心へのアクセスが良く、近隣の豊洲やお台場には観光スポットやスポーツ施設が多数あり、ジャンルレスに人々が訪れる多様なエリアです。 住友不動産では早くから有明にマンションを構え、2020年6月に開業した大型商業施設「有明ガーデン」をきっかけに、住まいの提供だけでなく暮らしそのものに寄り添いたいという思いがあります。その理由は、新型コロナウイルスの影響によるライフスタイルの価値転換。当初、想定していたインバウンドだけでなく、地域の魅力再発見や地域利便機能などに着目したことで、繋がりの大切さが見えてきました。

 

有明には子育て世代のファミリーが多く暮らしていて、交流の場は学校や習い事などに限られています。東京暮らしの特徴ですが、困ったときに誰もが助け合える関係を街全体で築きたいと思うようになりました。 そこで「有明ガーデン」内にある数多くのイベントスペースを活用し、地域の恒例行事を開催したり、地元の消防署・警察署と協力した独自の防災・防犯イベントをしたり、街に暮らす人が街を知り、さまざまな人と出会い、コミュニケーションとれる場として開放しています。昨年はイベント自粛が相次ぎましたが、感染症拡大防止対策を徹底しながら、地域の人の声に耳を傾け、数々のイベントを実施していきました。

 

今年(2021年)は、東日本大震災発災から10年が経ち、震災を知らない子供たちが有明にも多く暮らしていて、「有明ガーデン」でも震災について考え・備え、子供たちに伝える機会になるよう復興イベントの芋煮会をしました。子供たちにはおいしい記憶として残るかもしれませんが、いつかこの体験が何かを考えるきっかけになれば幸いです。 正解はありませんが、これからも子供たちの未来に繋がる体験を企画・展開予定です。また、商業施設の概念に捉われず、この街に根差した新たな試みで地域を活性化させたいと思っています。

 

その試みの一つに「湾泊」(わんぱく)があります。当社が運営する有明・汐留のホテルを拠点に、豊洲・お台場・有明などの15を超えるエンターテインメント施設・レストラン・サービスをお得に利用でき、自由に組み合わせられる宿泊パックプランです。湾岸エリアの課題には、観光施設が点在しながらも回遊率の難しさがありました。そこで注目したのが滞在利便機能。宿泊することで滞在時間に余裕が生まれ、近隣施設への回遊率向上を図りました。自社の複合施設だけでなく周辺施設を連携させたことで、地域活性化にも繋がっています。幸いにも、遠方の方だけでなく地域の方にもマイクロツーリズムとしてリピートいただいています。魅力ある施設同士が手を繋ぎ、湾岸エリア一帯の価値を高めていくことがこれからの目標です。

 

 

開業から間もなく1年。商業施設ではありますがモノを売るだけでなく「この街に住んで良かった」と思えるような街づくりに取り組んできました。オンラインで簡単に繋がれる時代だからこそ、オフラインでもしっかりと繋がりを感じられる街の発展を願い、地域の方々のアクションを見ながら、求められるコトをカタチにできるよう努めていきます。

     緑あふれる「有明ガーデン」外観

 

 

有明ガーデン
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