「勤務先の健康経営についての調査」 まとめ
経済産業省による「健康経営銘柄」「健康経営優良法人認定制度」、厚生労働省の「データヘルス・健康経営を推進するためのコラボヘルスガイドライン」公表など、国が積極的に後押ししている「健康経営」。
従業員の健康管理・健康づくりの推進は、生産性の向上など組織の活性化をもたらし、経営面においても大きな成果が期待できるという視点から健康経営に取り組む企業が増えている。
今回、経営側にではなく従業員側に、「自身の勤務先が、従業員の健康管理・健康づくりにどの程度取り組んでいるか」を調査した。
【 勤務先は、従業員の健康増進に熱心に取り組んでいると思うか】
「勤務先が従業員の健康増進に熱心に取り組んでいると思う」は67.5%。従業員数が100人以下の企業では4割台だが、301人以上の企業では7割を超える。
【健康管理・健康づくりの具体策への取り組み状況】
健康管理・健康づくりのための具体策として、21の制度・仕組みをあげて、勤務先の取り組み状況を聞いた。
制度・仕組みがある(「参加・利用したことがある」+「制度・仕組みがあるが参加・利用したことはない」)が7割を超えたのは、「婦人科検診の補助」「有給休暇取得の推進」「インフルエンザ予防接種の補助」「法定健康診断以外の人間ドック項目が受けられる」「残業を減らす取り組み」。「働き方改革」が推進されている様子も見てとれる。
実施されている制度・仕組みの参加・利用率を見ると、「有給休暇の取得推進」「残業を減らす」「階段利用」「婦人科検診補助」の参加・利用率が8割以上と高くなっている。一方、 「社内ゴルフコンペ」の参加・利用率は25.3%と低め。
【取り組み状況は従業員数別で濃淡が見られる】
21の制度・仕組みの有無それぞれを従業員数別に見ていくと、取り組みにかなり濃淡が見られる。従業員数別での差が少ない、つまり幅広く実施されているのは「インフルエンザ予防接種の補助」。「100人以上」はいずれも実施率が8割を超え、 「100人以下」は6割だった。その他の項目では、従業員500人以上のセグメントの実施率が高い傾向にある。
全体では7割を超える「有給休暇取得の推進」は従業員数「300人以下」と「301人以上」のセグメント間で、 「残業を減らす取り組み」は「100人以下」と「101人以上」のセグメント間で取り組み方が分かれる。
「健康セミナー」「メンタルヘルスセミナー」は、従業員数500人以上で実施されている率が高いものの、「あるかどうか分からない」という回答も10~20%あり、周知されていない可能性もある。
21の選択肢以外に実施されている健康管理・健康づくりのための具体策を、フリーアンサーで記述してもらったところ、 従業員数「100人以下」「300人以下」の企業でも、きめ細かい施策を実施しているケースが挙がっている。
調査期間: 2018.08.29~09.04
調査方法: シティリビング配布窓口担当者へのWEBアンケート
集計数 :501