シティプロモーションとは、地域の魅力を地域内外に訴求することで、地域を持続的に維持するための資源獲得を行う取り組みである。資源の中で最も重要なものが、地域に関わる人々の参画意欲である。当然ではあるが、自治体職員も地域に関わる人々である。自治体職員こそが、地域の魅力を最も積極的に語る人であってほしい。そのため、庁内広報においても地域魅力の訴求、さらに地域の当事者としての行動促進が重要な要素となる。
自治体職員が当事者になる工夫として、毎日一つ、地域の魅力を探す取り組みがありうる。探してきた魅力をイントラネットにアップし、週に一回「よく発見できた」賞を選定し、表彰を行う。日常から発見した魅力は、地域を豊かに語る素材となる。さらに、積極的に地域の魅力を発見する自治体職員の姿をウェブサイトなどに掲載することも考えられる。それによって、住民や地域外の人々が地域の魅力に気づき、その職員を褒める。そんな工夫があれば、職員の自発性は高まる。広報とは当事者をつくるための手段である。庁内広報も同じ機能が求められていることを忘れてはならない。
河井孝仁さん
東海大学文化社会学部広報メディア学科教授
PROFILE:
博士(情報科学)。名古屋大学法学部卒業、名古屋大学大学院情報科学研究科博士後期課程満期退学。静岡県企画部情報政策室などを経て現職。「地域メディアが地域を変える」(日本経済評論社)、「シティプロモーション 地域の魅力を創るしごと」(東京法令出版/日本広報学会賞受賞)など著書多数。2016年12月に「シティプロモーションでまちを変える」(彩流社)を発行。
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